バッファロートレース蒸留所の概要
バッファロートレース蒸留所(BuffaloTrace Distillery)は、バーボンウイスキーの歴史ある蒸留所の一つで、大きな地位をしめています。
ケンタッキー州フランクフォートにバッファロートレース蒸留所はあり、現在はサゼラック社の傘下にあります。この蒸留所の古い施設は2001年5月2日に国指定の史跡に登録され、2013年3月11日には国立歴史的建造物に指定されるという名誉を得ています。
バッファロートレース蒸留所の歴史
同社では、バッファロートレース蒸留所はアメリカで最も古くから稼働している蒸留所であると主張しています。
記録では、ハンコック・リーと弟のウィリス・リーによって1775年に蒸留事業を開始します。最初の蒸留所は1812年にハリソン・ブラントンによって建設され、この蒸留所は1870年にエドモンド・H・テイラーに買収されて、名前がオールドファイヤーカッパー(OFC)蒸留所になりました。
その8年後にテイラーは、蒸留所をオールド・オスカー・ペッパー蒸留所とともにジョージ・T・スタッグに売却しました。この2番めの蒸留所はOFC蒸留所に土地を追加するために、1年以内にジェームズ・グラハムに売却されました。
20世紀に入って、禁酒法の時代になると、蒸留所は「薬用」のためにウイスキーを作るために操業を続けることができ、1921年にアルバート・B・ブラントンが社長に就任し、29年にシェンリー蒸留所株式会社の傘下に入り、大規模な拡張をしたので、1935年から37年に新しい最先端の蒸留所になります。
1937年には大洪水が蒸留所を浸水させるなど、大きな苦難を乗り越えることになります。
1949年にエルマー・T・リーが入社。彼の手により1984年には世界初のシングルバレルバーボンを作り上げるなど、大きな業績を残しています。
1992年にサゼラック社の傘下に入ると、99年にバッファロートレース蒸留所に改名し、フラッグシップとしてバッファロートレースが発売されます。
バッファロートレースの主な銘柄
バッファロートレース
バッファロートレース蒸留所のシグネチャーモデル。どっしりとしたボトルで高級感のあるものです。コーン80%、ライ10%、大麦麦芽10%という比率で作られており、かなりのこだわりを感じさせます。
蒸留所が所有する40万樽の中からわずか0.01%にあたる8年以上熟成した35~45樽のみを厳選して、じっくりテイスティング、選定してヴァッティング(ブレンド)してアルコール度数を45%に調整してボトリングしています。
イーグルレア
比較的熟成期間が短いバーボンの中では珍しくイーグルレアは10年熟成されており、いわゆるプレミアムバーボンが一般的になる前の1975年の段階で、こだわりの仕上がりです。
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E・H・テイラー
2012年に発売開始となったプレミアムバーボン。バッファロートレース蒸留所の先駆けになるOFC蒸留所を設立し、またバーボン業界全体の発展に大きな役割を果たしたエドムンド・ヘインズ・テイラー大佐の功績に敬意を表したものです。大佐はバーボンの品質を担保したボトルド・イン・ポンド法を1897年に成立させるために尽力しました。
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ブラントン
ブラントンは1984年に発売された銘柄で、ケンタッキー州州都のフランクフォートの市制200周年を記念したものだと言われます。バーボン造りの名人と言われバッファロートレース蒸留所にも深く関わったアルバート・ブラントン少佐にちなんで名付けられました。
一つの樽からボトリングするシングルバレルという手法で作られていて、バーボンでこのシングルバレルを行ったのはブラントンが最初です。
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エルマー・T・リー
ブラントンの弟子でもあり、シングルバレルのブラントンを作り上げた、バッファロートレース蒸留所のマスターディスティラーである、エルマー・T・リーの功績をたたえた銘柄。エルマーは1949年から1985年まで蒸留所に勤め、その後は名誉マスターディスティラーとしてバーボンの伝統と特質を世界に発信し続ける仕事をして、2001年にはケンタッキーバーボンホールには功労賞が掲げられています。
銘柄としてのエルマー・T・リーも、ブラントンと同じくシングルバレルで作られています。