粕取り焼酎(酒粕焼酎)とは
粕取り焼酎(酒粕焼酎)とは、原料に日本酒を作った際の副産物である酒粕にもみ殻を混ぜて、せいろ式の蒸留器で蒸留して作ったものです。元々、九州の筑後には粕取り焼酎を作る文化があったのですが、かなり個性の強い焼酎でした。
しかも、第二次大戦後のほんの短い間でしたが、劣悪な闇焼酎のことをカストリと呼んだこともあって、粕取り焼酎のイメージは非常に悪くなりました。本来の粕取り焼酎は、特に工業用エタノールやメタノールを混ぜていたことも有るカストリとは全く別物なのですが、今で言う風評被害ですね。
本来の粕取り焼酎も、癖が強いこともあり、次第にあまり飲まれなくなっていき、一時はほぼ消え失せた焼酎になってしまいました。粕取り焼酎のような固体を元にした蒸留法は日本では他に見ませんが、中国や東南アジアに広くあるもので、本来は泡盛と同じように長い歴史のある焼酎でした。