フロアモルティングとは
フロアモルティングとは、古い時代のスコッチウイスキーの製法です。
スコッチウイスキーのうち、モルトウイスキーは大麦麦芽のみを原料としたウイスキーであるが、ウイスキーを始めとする蒸留酒の製法はごく大雑把にいうと、原料を酵母で発酵させて醸造酒を作り、それを蒸留していきます。この過程のうち、酵母による発酵は大麦そのままの状態では起こらず、発芽させて大麦麦芽の状態にする必要があります。
発芽すると酵素が生まれて大麦のデンプンは糖分に変わり、その糖分が発酵してアルコールに変わるのです。しかし、発芽が成長しすぎると芽が糖分を消費してしまうので、適切なところで発芽を止めなければなりません。
この一連の過程を糖化(モルティング)と呼びます。具体的には大麦を仕込み水に浸すと発芽し、成長した大麦麦芽をピートや石炭を炊きながら乾燥させて成長を止めるのですが、ここの工程でピート香と呼ばれるウイスキー独特な香りがつけられるのです。
さて、このモルティングですが、古い時代にはフロアモルティングと呼ばれる方法が一般的でした。
フロアモルティングでは、水に十分に浸した大麦をキルン(麦芽乾燥塔)と呼ばれる建物の乾燥室のコンクリートの床に広げると発芽が始まります。このときに麦の温度を適切に保ち、酸素を供給します。さらに成長してきた根が絡まないように撹拌も必要ですし、室内の温度もその日の気候にあわせて窓を開閉して調節しなければなりません。
これは大変な重労働で、この作業をしている作業員たちはモンキーショルダーという持病に掛かることが多かったと言われます。これは猿が肩に乗っているかのように重い、という意味で、このモンキーショルダーという名前を冠した銘柄もあります。
この過程が終了したら、今度は発芽を止めるために熱風を送り込んで、大麦麦芽を乾燥させますが、その熱風を起こすための燃料が古くからピート(泥炭)が使われることが多かったのです。
重労働であり、しかも効率が良くないということで、現在ではほとんどの蒸留所がモダーンモルティングという手法を採用しています。
モダーンモルティングとはモルトスターと呼ばれる製麦業者による外注で、モルトスターは機械によって大量の製麦を効率的に行っています。
工程自体は1,麦を水に浸し、2,撹拌を繰り返し発芽させ、3,乾燥させる、と変わりませんが、ドラム式の機械で行い安定した品質の麦芽が効率よく生産されます。
フロアモルティングのメリット
フロアモルティングのデメリットは前述のように非効率で手間が掛かるといったところですが、逆にメリットとしては「個性を出しやすい」という点が挙げられます。
特にスモーキーフレーバーと呼ばれるピート香の強さは、麦芽を乾燥させる際に炊くピートの量に左右されますが、それだけではなく、ピート香自体にも海藻のような、ヨードのような、木が焦げたような、と様々な特徴があります。
これはピートの採取地によって決まってきますので、各蒸留所が独自にモルティングを行うのでなければ、個性を出すことはできません。特にピート香が「ウリ」であるアイラモルトにフロアモルティングを採用し続けている蒸留所が多いのは偶然では無いでしょう。
フロアモルティングを行っている蒸留所
非効率的かつ重労働であるということで、スコットランドに100前後もある蒸留所のうち、今でも昔ながらのフロアモルティングを行っている蒸留所はわずか7つに過ぎません。
その蒸留所とは、ハイランドパーク、スプリングバンク、バルヴェニー、ボウモア、ラフロイグ、キルホーマン、ベンリアックです。
ハイランドパーク
ハイランドパークはいわゆるアイラモルト” target=”_blank”>アイランズモルトの1つでスコットランド北部のオークニー諸島のメインランド島のカークウォールにある蒸留所です。
寒冷地で強風が吹き荒れる土地柄なので、ピートの種類は低木のヘザーなどが堆積したもので、アイラとは違った甘さを含んだスモーキーさを生み出します。
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スプリングバンク
スプリングバンクは今となっては数少ないキャンベルタウンモルトの1つです。しかも多くの蒸留所が大きな資本の傘下にある時代に、ミッチェル家が昔ながらの独立資本として運営しています。銘柄はスプリングバンクのほかにヘーゼルバーン、ロングロウなども作っています。
また、キャンベルタウンに125年ぶりに新たに設立されたミッチェルズ・グレンガイル蒸留所(2004年にオープン)で作っているシングルモルト「キルケラン」にもフロアモルティングした大麦麦芽を提供しているそうです。
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バルヴェニー
バルヴェニーは、スペイサイドで有名なグレンフィディックの弟分的な存在で、場所のグレンフィディックと同じ敷地内にあります。ウイリアム・グラントがグレンフィディック創業5年後の1892年に創業。弟分とは言え、すでに100年を軽く超える歴史を刻んでいます。
現在でも持ち主はウイリアム・グラント&サンズ社で、同社の3つの蒸留所、グレンフィディック、バルヴェニー、キニンヴィーのモルトウイスキーをブレンドして前述のモンキーショルダーを作っています。
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ベンリアック
ベンリアックはスペイサイドの蒸留所で、1898年創業。創業当時は3回蒸留やフロアモルティングを採用したスペイサイドらしからぬ方法を取る革新的な蒸留所でした。しかし、わずか2年間の操業で閉鎖。65年間ものあいだ、隣のロングモーン蒸留所にフロアモルティングした大麦麦芽を供給するという仕事をしていました。
1965年に操業再開しましたが、ブレンド用の原酒作りを行っており、オフィシャルボトルが発売されたのは1994年とかなり後発です。2004年にベンリアック、グレンドロナック、グレンクラッサの3蒸留所がベンリアックディスティラリー社という独立資本として生まれ変わり、2012年からフロアモルティングも再開しました。
ただし、ベンリアックはピート、ノンピートと作り分けもしていて、すべての生産にフロアモルティングした大麦麦芽を使っているわけではありません。なお、現在はベンリアックディスティラリー社は米国のブラウン・フォーマン(ジャックダニエルやアーリータイムスで有名)
なお、同じグループとなっているグレンドロナックもフロアモルティング、石炭の直火焚きで知られた蒸留所でしたが、1996年を最後にその方法は廃止しています。
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ボウモア
ボウモアは1779年創業でアイラモルトで最古の蒸留所です。浜辺に位置していて、ボウモアのキルンからピートを焚いた煙がたなびく様子は、アイラ島の風物詩の1つです。ボウモアは「アイラ島の女王」と呼ばれ、フルーティでスモーキー、甘くエレガントな香りが特徴です。
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ラフロイグ
アイラモルトの名品。スモーキーで、正露丸や消毒液にもたとえられるヨード香が漂う、好き嫌いが強く分かれる銘柄です。チャールズ皇太子が愛飲していて、シングルモルトでは唯一の王室御用達です。
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キルホーマン
2001年創業、05年から蒸留開始したばかりのアイラ島の蒸留所です。アイラ島では現存する蒸留所としては124年ぶりの創業だそうで、独立系。他の蒸留所とは違い、海辺ではなく内陸部にあり、自社で栽培した大麦を使い、ピートも周辺で採取したものをつかう、19世紀には一般的であった農場型蒸留所を現在に蘇らせたものです。
少量生産で、味わいは非常にピート香が強く、味はシトラスフルーツ、バニラの甘い香り。
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秩父蒸留所
上記の7つの蒸留所と違い、秩父蒸留所は、イチローズモルトで注目を集める、日本の地ウイスキーメーカーのベンチャーウイスキーの蒸留所です。2007年設立の新しい蒸留所ですが、モルティングまで蒸留所内で行っており、一部ではフロアモルティングも行っています。
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