日本の地ビールについて
日本では長らく、ビールの製造は大手資本でなければできないような酒税法上の規制がありました。それは年間の生産量が2000キロリットル(大瓶で約316万本)以上の生産をしなければならない、という規制でしたが、これが1994年の酒税法改正で年間60キロリットル(大瓶で約9万5千本)以上になり、ここから小規模な事業者もビール製造が可能となっていきます。
この規制緩和で、全国各地でいわゆる「地ビール」がたくさん誕生しました。当時は300を超える醸造所ができたと言われますが、品質面で特に大手メーカーの製品と比べて特に魅力のあるものではない製品も多く、次第に消費者には飽きられていきます。
そのころにアメリカで注目を集めていたクラフトビールのブームが日本にもやってきます。クラフトとは職人という意味で、クラフトビールは職人が丁寧な手仕事で作り上げた高品質なビールを指します。これが可能になるのは、通常は小規模な醸造所の方が有利であり、地ビールのメーカーも淘汰を経て技術力が上がり、日本人らしい職人気質のつくり手も増えてきて、地ビール=クラフトビールという状況に近くなっています。
ただ、「地ビール」も「クラフトビール」も明確の法律上の定義などはありませんので、解釈は人それぞれ。大手メーカーも量産品ばかりではなく、2014年ごろから様々な製品を出し始めています。
大手メーカーのクラフトビール
サントリー クラフトセレクト
東京の武蔵野ブルワリーで造られるクラフトビール。
ラインナップはペールエール、バーレイワイン、インディアペールエールの3種があります。
アサヒ TOKYO隅田川ブルーイング
94年に子会社として隅田川ブルーイングを設立して、翌年からブルーパブを吾妻橋で開業。現在は「隅田川ブルワリー」と「茨城マイクロブルワリー」で作っています。
展開している商品はケルシュスタイル、香るヴァイツェン、ビタースタウト、吾妻橋ペールエールとなっています。基本的にパブでの提供になっています。
キリン
2014年にクラフトビール戦略を発表して、「よなよなの里」で有名なヤッホーブルーイングと資本提携。16年にはアメリカのブルックリン・ブルワリーと業務提携をしています。
サッポロ
子会社のジャパンプレミアムブリューが商品展開しています。その他、カナダのユニブルー、アメリカのアンカー・ブリューイングを買収しています。
海外のクラフトビール
- リンデマンス
ベルギーの醸造所。ランビックが有名 - コナ(KONA)ハナレイアイランド
ハワイ島コナのビール会社 - ミッケラー
デンマークのコペンハーゲンの会社 - オラホビール
イギリスのブルワリー - ヒューガルデン
ベルギーホワイト - ブルックリン・ブルワリー
アメリカのブルワリー - ユニブルー
前述のカナダのブルワリー - アンカーブリューイング
アメリカのブルワリー
日本のクラフトビール
- ヤッホーブルーイング
「よなよなエール」「インドの青鬼」「水曜日のネコ」「軽井沢高原ビール」 - COEDO(コエドブルワリー)
COEDO Ruri、COEDO Kyara、COEDO Shiro、COEDO Shikkoku - 木内酒造
常陸野ネストビールホワイトエール、ペールエール、ヴァイツェン - サンクトガーレン
サンクトガーレンゴールデンエール、アンバーエール - 箕面ビール
箕面ビールピルスナー、スタウト、ペールエール - Baird Beer
Bairdbeerシングルテイクセッションエール、ウィートキング・ウィット - 蔵元・玉村本店~志賀高原ビール~
志賀高原ビールペールエール、IPA - ノースアイランドビール
ノースアイランドビールピルスナー、ブラウンエール - ベアレン醸造所
クラシック、アルト、シュバルツ - いわて蔵ビール
いわて蔵ビールヴァイツェン、スタウト - 日本海倶楽部
日本海倶楽部ピルスナー、ダークラガー、奥能登伝説
※それぞれの商品は2019.05.18現在に調査したものです。