セメント式製法とは
セメント式製法とは靴の製造方法の中では一番簡便で、コストも掛からない製法です。紳士靴の主な製法としてグッドイヤーウェルト製法、マッケイ製法などご紹介してきましたが、これらの製法は糸で甲革と底材とを縫い合わせるという点で同様なものであり、その縫い方の違いから製法の違いが生まれています(雑な説明ですが)。
それに対し、セメント式製法は甲革、中もの、中底を靴の形に整形し、接着剤で底材を圧着するというものです。接着剤と底材の進化によって、この製法は拡大し、最初は婦人靴の製法でしたが、紳士靴にも広がっていきました。
私がその昔に靴売り場で勤務していた頃には、だいたい1万円前後ぐらいまでの紳士ビジネスシューズはこのセメント式製法で作られていました。